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食品製造の障害者施設と取り組んでいます。
◎障害者施設で製造されたお菓子を買い取る企業をご紹介します。
◎アレルギー対応を強みにしませんか?
◎賞味期限検査やアレルゲン検査の支援をしています。
当法人では、連携飲食店・製菓製造販売企業・食品製造企業・キッズ系施設へのお菓子販売企業と連携して、障害者施設の工賃アップを目的とした取り組みを行っています。アレルギー対応のレシピ開発やアレルゲン検査の支援、アレルギー対応ではないレシピ開発や製造工程の見直し、自主商品となりやすい食品を受注として定期的に販売できるようにするなど、私たちのネットワークを使って幅広い支援を行うことができます。
https://arepapa.jp/shogai_support/
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障害者施設の方々から必ずといってもいいほど出てくる話題があります。
「うちには専用の調理場も調理器具も用意できないから難しい」というものです。
そこで、これまで取り組んできた施設の『アレルゲン検査結果』をご紹介します。

製造状況

この検査結果の施設の製造状況を説明します。
・調理場:普段、焼き菓子や併設飲食店用の食材調理を行っているところ
・調理器具:焼き菓子、併設飲食店用直材調理の器具を食器洗浄機または手洗いで洗浄し使用
※オーブンは通常使用のまま使用しています。
・普段調理場で扱っている食材:卵、乳製品、小麦他

製造・検査した食品

特定原材料7品目および特定原材料に準じる20品目のうち、『大豆』のみを使用した『ケーキスポンジ』。
検査は「卵」「乳製品」「小麦」を検査しました。

検査方法

・定量範囲:1~20ppm
・検査対象アレルゲン:卵、乳製品、小麦
※検体に1~20ppmの範囲でアレルゲン(卵、乳製品、小麦)が含まれている場合に、○○ppmのアレルゲンが含まれています、と含有量も測定できる検査方法です。
※「ppm」については下で解説をしています。

検査結果

まず、結論である検査結果をご紹介します。
卵、牛乳、小麦の3つを検査し、どれも「1.0ppm未満」という結果でした。
どのくらいのレベルかというと、「表示をしなくてもよいレベル」ということです。
表示をしなくても良いレベルとはどのくらいかというのは、下記を参考にしてください。
なお、現在の検査技術では1ppm未満の定量検査はできません。

注意事項

この施設では当法人がアドバイスをしたうえで製造をし、検査を行っています。
「気をつければ大丈夫」と捉えず、アレルギー対応をする場合は、適切な知識と対応が必要であることを認識してください。

検査結果を見るうえでの予備知識

検査結果を見ていただくうえで大切な知識をご紹介します。

1.どのくらいのアレルゲンが含まれていたら表示しなければいけないのか?

※消費者庁「Q&A(別添アレルゲンを含む食品に関する表示平成30年9月21日消食表第495号)」より

(B-1)
表示の対象範囲について教えてください。
(答)
アレルギー表示の対象範囲は、食品表示基準別表第14に定める食品(特定原材料)を原材料とする加工食品又は特定原材料に由来する添加物であって販売の用に供するものであり、具体的には容器包装された加工食品及び添加物です。なお、例外的に、運搬容器への表示(C-1参照)や、食品中に含まれる特定原材料等の総タンパク量が、数μg/ml濃度レベル又は数μg/g含有レベルに満たない場合(C-3参照)、知見が不足している香料など(C-8~11参照)は表示が免除されています。
(C-3)
微量な特定原材料を含む場合の表示は、どこまで原材料表示として表示する必要がありますか。
(答)
健康危害防止の観点から、食物アレルギーを誘発する量を考える際には、特定原材料等の抗原(特定タンパク)量ではなく、加工食品中の特定原材料等の総タンパク量に重きを置いて考えることとしています。
アレルギー症状を誘発する抗原量に関しては、総タンパク量として一般的にはmg/ml濃度(食物負荷試験における溶液ml中の重量)レベルでは確実に誘発し得るといえますが、数μg/ml濃度レベルでは、アレルギーの誘発には個人差があり、ng/ml濃度レベルではほぼ誘発しないと考えられています。
このことより、数μg/ml濃度レベル又は数μg/g含有レベル以上の特定原材料等の総タンパク量を含有する食品については表示が必要と考えられる一方、食品中に含まれる特定原材料等の総タンパク量が、数μg/ml濃度レベル又は数μg/g含有レベルに満たない場合は、表示の必要性はないこととしています。
さらに、微量原材料の表示の必要性の判断に関しては、製造段階のある点を基準に判断することは、技術的にも難しく、また、ある点を基準にすれば、最終製品中の特定原材料等の残存量にばらつきが出ることから、最終製品の中に残存する特定原材料等の量によって判断することが妥当と考えます。
今後、食物中に残存するアレルゲンに係る検知法の開発では、加工食品中の特定原材料等のタンパク量を数μg/ml濃度レベル以下又は数μg/g含有レベル以下まで検出可能となれば、表示の必要性の有無を確認するに十分な検知法となると考えています。

以下、要約です。

「B-1の答」で大切な部分は「食品中に含まれる特定原材料等の総タンパク量が、数μg/ml濃度レベル又は数μg/g含有レベルに満たない場合は表示が免除される」ということです。
その理由を「C-3の答」で説明しています。

「C-3の答」では、
①「mg/ml濃度レベル」では確実に誘発し得る。
②「数μg/ml濃度レベル」では、アレルギーの誘発には個人差がある。
③「ng/ml濃度レベル」ではほぼ誘発しない。
④「数μg/ml濃度レベル又は数μg/g含有レベル以上」では表示が必要。
⑤「数μg/ml濃度レベル又は数μg/g含有レベルに満たない場合」は、表示の必要性はない。
と説明しています。

2.mg、μg、ngとは?

様々な「単位」が出てきたので説明します。
・mg(ミリグラム)=1000分の1グラム
・μg(マイクログラム)=100万分の1グラム=1000分の1mg
・ng(ナノグラム)=10億分の1グラム=1000分の1μg

つまり、
mgの1000分の1がμgで、さらに1000分の1がngです。

3.ppmとは?

ここで、検査結果にある、もう一つ説明が必要な単位「ppm」を説明します。
ppmとは「濃度の単位」で、1ppm=1mg/lです。
1リットルのお水に1mgのものが混ざっていると1ppmということです。
1mgとは1gの1000分の1です。普段グラム単位で材料を計っていると分かりますが、ものすごく少量ですよね。
食物アレルギーの表示の話しにはよく出てくるので覚えておいてください。

4.数ppmの「数」はどのくらい?

本題に戻ります。
上記2の⑤で「数μg/ml濃度レベル又は数μg/g含有レベルに満たない場合は、表示の必要性はない」と消費者庁は説明しています。

μgの1000倍はmgです。そしてmlの1000倍はℓです。
つまり「数μg/ml」というのは「数mg/ℓ」となります。
先ほど1ppm=1mg/ℓと説明しました。

つまり、消費者庁の⑤は「数ppmレベルでは表示の必要性はない」と言っていることになります。

さて、単位がようやくそろってきました。
大事なことは「数ppmレベルでは表示の必要性はない」ということです。
しかし、まだわからないことがありますよね?
「数ppm」の「数」はどのくらいか?ということです。
受け取り方によって幅がある言い方ですが、この数ppmについては「10ppm」とされています。
食品表示法やガイドラインには10ppmとは書かれていないのですが、消費者庁の方の説明資料にも10ppmと明確に書かれており、食品業界では10ppmを基準に表示をしています。

5.まとめ

まとめると、10ppm未満の場合は表示をしなくてもよい、ということになります。
その理由は、症状が誘発される可能性が低いから。
ご紹介した検査結果は定量的に検出できる(今の検査技術の限界)1ppm未満、表示基準である10ppmの10分の1よりも低いということです。

6.おまけ「欄外注意喚起表示」とは

「コンタミ表示」と言われる「欄外注意喚起表示」について説明します。
加工食品の表示の枠外に「本商品は○○と同じ製造設備で製造しています」や「本商品製造工場では○○を扱っております」など見たことがありますよね?
コンタミネーションとは、「原材料としては使用していないにも関わらず、特定原材料等が意図せず混入してしまうこと」を意味します。
原材料としては表示をしなくてもよいレベルだけれども、製造状況によっては、レベルをしなくてもよいレベル以下でコンタミネーションしてしまうことから、「欄外に注意喚起のための表示をしてもよい」というルールです。
多くの方が誤解しているのですが、この表示は「任意」です。
表示をしても良いし、表示をしなくても良いのです。
つまり、「欄外注意喚起表示をしていない」からといって、コンタミネーションのリスクがないわけではないということです。

以上が検査結果のご紹介です。

当法人では障害者施設と一緒に取り組みを行っています。
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